東京大学情報学環特任教員による差別発言に関して
東京大学教養学部中国語部会 2019年12月9日
(下面有中文版)
東京大学情報学環特任教員による
差別発言に関して
先日来、情報学環・学際情報学府(以下学環・学府)の特任教員(以下当該教員)が中国人を露骨に差別するようなツイートを相次いで発信し、それが大きく報道され、学環・学府が下記の見解を表明しているのは周知の通りです。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2019112811043
その後12月1日ツイッター上で当該教員が「謝罪」していますが、差別的な判断の理由をAIの出した結果のせいだと述べるなど、きちんと謝罪しているようには受け取れません。また、「ウイグルやチベットそして香港の人に共感し」と述べるのも、自らの過ちをそれと無関係な政治問題に転嫁するきわめて不誠実な発言です。
私たちは東京大学で中国語教育に携わる組織として、当該教員の発言を断じて容認することはできません。東京大学には全学生・院生数の1割弱にもなる約2500人の中国人が在籍しています。さらに多くの中国人が専任や特任、常勤や非常勤の教職員として働いています。当該教員の投稿は、こうした本学の同僚や学生たちの存在を無視するものであり、また国籍・民族という属性で人を判断しているという点において、現代社会では絶対に許されない差別発言です。当該教員が私的に経営する会社における方針を述べたものとされていますが、東京大学の教員が発言した以上、その責任の一端を東京大学が担うこととなってしまうのは自明です。
教養学部では現在新入生の約4分の1が中国語を選択し、合計1500人以上の学習者がおり、その教育に私たちは責任を持っています。そこで私たちは、単に言語を習得するのではなく、その言語が使われる社会の文化や歴史などにも触れながら、中国人とよりよい付き合いを続けるすべを伝える立場にあります。そしてそもそもこの中国語教育は、1949年の新制東京大学設立時に、過去の中国侵略の反省に立ち、戦前は「支那語」として学問的対象とされなかった現代中国語を、選択必修の第二外国語に加えたことが始まりです。
相手の文化を理解しようとする謙虚さを忘れずに、敬意を持って中国・中国人と接することを当然のこととして教育を行ってきた中国語部会としては、当該教員の発言は決して認めることはできず、強く抗議します。私たちは今後も歴史を忘れることなく、人権を擁護し平和に寄与すべく教育に取り組んでいく所存です。
2019年12月9日
東京大学教養学部中国語部会
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UTzhongwen#gmail.com
世話人:瀬地山 角 ほか部会構成員一同
***中文版
关于东京大学特任教员歧视中国人言论的声明书
日前,东京大学情报学环学际情报学府的特任教员(以下简称“该教员”), 在推特上接连发出露骨歧视中国人的投稿,引起极大关注。对此,东京大学情报学环学际情报学府已经公开正式表明了以下的见解。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2019112811043
该教员虽已于12月1日在推特上表示了所谓的“谢罪”,但仍将自己做出歧视判断的理由归咎于AI的统计结果,这绝非是真正具有诚意的道歉。此外,该教员道歉文中所说“对新疆、西藏和香港人有同感”,也是一种将自身错误转嫁到与此无关的政治问题上的极为不诚实的做法。
作为在东京大学从事汉语教学的组织机构,我们断然无法容忍该教员的言论。东京大学现有占全校学生(包括研究生在内)10%的大约2500人中国学生在读,另外还有许多的中国老师作为专任或特任教师、常勤或非常勤教职员工在本校工作。该教员的推特投稿,无视本校众多教职员工和学生们的存在,仅凭国籍和民族等就妄下断语,是现代社会绝对不能容忍的歧视特定人群的错误言论。虽然该教员声称其发言只是针对自己所经营的私营公司而言,但既然是以东京大学的教员身份所发出的言论,东京大学自然不得不对此负有部分责任。
东京大学教养学部的新生之中,现有大约四分之一、共计1500人以上的学生都选择汉语作为第二外语,对于他们的汉语学习,我们担负着教育的责任。作为教师,我们的目的不仅仅只是教会他们使用一门语言,也希望他们通过接触和了解使用这门语言的社会文化和历史,与中国人进行更好的交流。东京大学的汉语教学始于1949年新制东京大学的设立之时,当时,出于对战争时期侵略中国的反省,东京大学将战前所谓的“支那语”、即不被视为研究对象的现代汉语新增到了必修第二外语的选项之中。
中国语部会一直以来都教育学生要以谦逊的态度去理解对方文化,并怀着敬意与中国及中国人进行交流。对该教员的发言,东京大学中国语部会断然无法接受, 并表示强烈的抗议。我们今后也将始终坚持 不忘历史、拥护人权、维护和平的教学方针。
2019年12月9日
东京大学教养学部中国语部会
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